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好きって言わない!

第32章 青春アクセル。




M side




ふわふわの毛を撫でていると、少しだけ心が和んだ。
顔を合わせたくはないけど・・・
学校にはちゃんと行こう。




逃げるのは良くない。




M「俺頑張ってくるね。」




ミーコを撫でながら自分に言い聞かせるように呟いたその時、インターホンが鳴った。



M「・・・・・。」



こんな朝っぱらから、誰だ。
嫌な予感しかしないが、恐る恐るモニターを確認してみる。




M「やっぱり・・・」




そこには、何食わぬ顔で突っ立ってる櫻井の姿。
うわ・・・顔腫れてる・・・




昨日、手加減ナシでブン殴ってしまったのを思い出した。
多少悪いことをしたとは思うが、謝る気にはなれない。



無視しよう。
会いたくない。喋りたくない。



もう1度インターホンが鳴ったけど、耳を塞いだ。
ソファから、ミーコがじっと俺を見ている。



M「・・・・・。」




さっき、逃げないで頑張るって言ったばかりだっけか。



あいつの事だから、俺が家を出るまで待ち構えてそうだし。



仕方ねぇ・・・




M「・・・戦ってくるよ。」




パーカーを羽織って、玄関に向かった。
振り向けば、まだミーコが俺を見つめている。




M「応援してて!」




ツンと無視されるかと思ってたけど。



にゃーお。



耳をピクピクさせながら、返事をするように鳴いたミーコにかなり勇気を貰った。
やっぱ良い子だうちの子!!




いつも待ってただけのあいつの所へ向かうのが、変な感じ。
きっと、2人で会うのはこれが最後。



そう思ったら切なすぎて泣けてくるけど・・・



切ないのは自分だけだと思うと少し腹も立って。
このストレスをあいつにぶつけて、怒らせてやろうと思った。



そうすれば、俺なんかすぐに要らなくなる。



聞き分けの悪いペットだって言って、きっと捨てられるんだよ。




それで良い。






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