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好きって言わない!

第32章 青春アクセル。




M side




エントランスに降りると、明らかに不機嫌そうな櫻井が仁王立ちで立っていた。




S「なんで家にあげてくんねーの?!
居ないのかと思っただろ!!
もう少しで帰るとこだったぞ!!」



M「何の用だ。」



怒っている櫻井を無視して要件を促すと、さらに顔を顰める。



S「昨日から随分機嫌が悪いな。」



M「普通だろ。」



S「普通じゃねぇよ。
お前はもっと可愛いだろ。」



M「・・・・・。」



か、可愛い・・・?!
思わず動揺してしまった。
何でそんな普通の顔して男の俺を可愛いなんか言えるんだこいつは。



S「やっぱり怒ってるのか、マドンナとキスした事。」



M「は?マドンナ?」



S「確かに告白されたけど、マドンナと関係を持つつもりは無い。
キスしてくれたら諦めるって言うから、しただけだ。」



M「・・・・・。」



S「俺が他の女とキスしたのを怒ってるんだろ?」



M「・・・・・。」



確かに、キスしてるとこを見てショックだったわけだけど。



S「マドンナとは本当に何でも無ぇから。
機嫌直せよ、な?」



・・・なんだ、この展開。
俺が拗ねてるだけみたいなこの流れ。



いやいやいや、拗ねてるんじゃねーよな?!
俺すっげぇ悩んで、一晩中悩んで櫻井との関係を終わらせようと決めたんだ。




S「まだ怒ってんのか・・・?」



M「っ・・・!」




上目遣いに俺を伺う櫻井。
こいつ・・・!!



旅館でもそうだった。
俺が怒ってるって思った時はこうやって甘えた顔をしてくるんだこいつは。





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