好きって言わない!
第32章 青春アクセル。
S side
・・・・・疲れた。
机に突っ伏して、いっそこのまま居眠りでもしてしまいたい気分だ。
頬をパンパンに腫らして遅刻ギリギリで登校してきた俺に、校内は話題騒然。
教師からも生徒からも質問責めだ。
まぁ、俺を心配してくれての事だというのは分かってるけど・・・
頬が腫れてるから喋るの痛ぇんだよ。
N「おたふく風邪みたいだな。」
S「触ったら殺すぞ。」
人差し指を近付けてきたニノを睨むと、クスクスと笑う。
N「機嫌悪いなー。」
機嫌が良いわけがない。
頬が腫れ、遅刻ギリギリになった原因の奴が、なぜか俺との関係を終わらせようとしている。
意味が分からない。
ただのヤキモチだろうと思った。
俺が声を掛けてやればすぐに機嫌は直ると思った。
旅館では俺を誘ってきたくせに・・・
もうセックスしないってどういう事だよ!!
お互い、気に入ってると思ってたのに。
結構可愛い奴だな、なんて思ってたのに。
N「え、泣いてんの?」
S「泣いてない。」
N「だから松本はやめろって言ったじゃん。」
S「ていうかお前さ。」
N「なに?」
バッと顔を上げて、ニノを睨んだ。
頬杖をついて涼しい顔をしているニノに少し腹が立つ。