好きって言わない!
第7章 させてあげる。
もう、最低な気分だ。
キスの話なんか聞きたくない。
お前もさっさと寝ろよ!
んで俺の知らないとこでキスでもなんでもしてくれ。
でもその話は絶対聞かないからな!!
ぐるん、とまーくんに背を向けてぎゅっと布団を握り締める。
胸が痛い。
ツライ。
まーくんのバカ。
A「にのちゃぁん・・・」
情けない声で俺を呼ぶ。
なんだよ、もう恋バナなんか聞く気ないぞ。
眠いんだ俺は。
A「聞いてよ〜!!
俺すげー悩んでるんだよ!!」
N「・・・悩み?」
恋に浮かれたハッピー野郎なのに?
A「彼女との恋愛経験値に、大きな差がある・・・」
N「はぁ?」
A「向こうは俺が初めての彼氏じゃないんだよー!!」
つまり、まーくんの話はこうだ。
彼女は中学時代にも彼氏がいて、中には1年付き合った男もいたのだとか。
キスも、それ以上の事も経験済みの可能性が高い。
一方、まーくんは・・・
こないだ男の俺と事故でファーストキスを済ませた童貞野郎だ。
N「やっぱり女子のが進んでるんだなぁ。」
A「そんな呑気な感想いらないよ!」
枕に突っ伏して項垂れているまーくん。
そんな気にする事なのかな。