好きって言わない!
第8章 イケメンヤンキー MJ。
A side
うーん。
俺の中のヤンキーのイメージと、かなり違う。
だいたいヤンキーは細目で金髪だと思ってたけど、松本くんはパッチリとした目で黒髪だし。
香水付けてるのかな、すごい大人な良い香りがする。
それに、制服をかなり着崩して着てるけどアイロンがしっかり掛けられた真っ白なシャツにホコリひとつ付いていないブレザー。
綺麗好きなんだな。
始業のチャイムが鳴っても松本くんは寝たままだった。
寝不足なのかな。
休み時間、やっと起きた松本くんがフラリと教室を出て行く。
これ、追い掛けた方が良いのかな。
見張るってそういう事?
コソコソと後をついていくと、松本くんが急に振り返った。
M「さっきから何なんだてめぇ!」
いきなり胸ぐらを掴まれて、焦って抵抗しようとしたら壁に押さえ付けられた。
A「いってぇ・・・」
M「ジロジロ見てるかと思ったら後ついてきやがって・・・ホモかてめぇは。」
A「うわっ!」
掴まれた胸元を引っ張られ、足を払われた。
ドサっと床に転んでしまって超カッコ悪い・・・。
A「どこ行くのかなって思っただけだよ。
てかホモじゃねぇし!」
M「どこ行こうが関係ねぇだろ!」
A「トイレならそっちじゃないよ?!」
M「トイレ探してるんじゃねぇ!」
A「じゃあどこ行くんだよ!」
怒鳴りあってるせいで、まわりに人が集まってきてしまった。
あれ、これマズイ感じ・・・?
遠巻きに見てる生徒達をかき分けて、教師が2人飛んできた。
「何やってんだお前ら!!」
・・・最悪。
俺と松本くんは、教師に連れられて主任室に連れて行かれてしまった。