テキストサイズ

好きって言わない!

第8章 イケメンヤンキー MJ。




A side




「ここで待ってなさい。」



主任室へ放り込まれ、いよいよ困った。
きっと俺らがケンカしてたって勘違いしてるんだ、どうやって誤解をとこうか・・・



うーん、と悩んでいると、松本くんがドアの方へ歩いていく。



A「え?!ちょっと!
待ってなきゃマズイだろ!!」



M「めんどくせぇ。帰る。」



A「ダメだって!!」



松本くんの腕を掴むと、思い切り振り払われる。



M「触るな!!」



・・・もう!ちょっと大人しくしてりゃすぐ済むだろうに。



A「触んないから、座ってよ。
俺1人で怒られんのイヤだし!」



M「知るかよ!お前が俺にまとわりついてっからこうなったんだろうが!!」



A「・・・確かに!!」



俺がつけていったから怒ったんだよね。
じゃあ悪いのって俺?!



M「・・・アホかてめぇは。」



その時、ふと部屋の中の水槽に目をとめた松本くん。
泳いでる魚をジッと見ている。



A「・・・魚好きなの?」



M「・・・・・。」



答えてくんねーし。



A「俺魚は飼った事ないけど、昔犬なら家にいたよ。
友達のにのちゃんも犬が好きなんだ。」



M「・・・・・。」



俺の話を聞いてるのか聞いてないのか、水槽の方へ歩いていく松本くん。



A「松本くんは何か飼ってる?」



また無視されるかなと思ったけど。



M「・・・猫。」



小さな声で答えた。
へぇ・・・猫飼ってるんだ。



M「でも、魚にすりゃ良かった。」



A「え、なんで?」



M「・・・懐かねぇから。」



A「・・・・・。」



どういう事だ?
水槽に指をあて、くるくるまわしている松本くん。
その指に魚が集まっている。



お・・・。



集まった魚を見て、松本くんが少し笑った。
意外。笑うと可愛い。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ