好きって言わない!
第9章 水と油と翔と潤と猫。
S side
「・・・ごめんなさい、彼女とデートだよね。」
彼女と予定があるわけではないが、会えない事実は一緒だ。
とくに返事をしない俺に、俯いてしまった。
できれば泣かないでほしいな・・・
S「またおいで。
次はもっといっぱいキスしよう?」
頬にチュ、とキスをすると涙目で真っ赤になる。
可愛い、本当に顔が好みだ。
玄関まで見送って、小さく息を吐く。
なんだか疲れた。
部屋に戻ると、彼女からLINEがきていた。
長ったらしい文章だが、要は今週の土曜日に会えないかという内容だ。
S「土曜日は予定があるって言っただろ。」
いや、それはさっきの子に言ったんだったか。
やっぱり俺疲れてんな。
鼻につく野郎に会ったせいだ。
同じクラスじゃなくて本当に良かった。
今日あんな態度を取ったんだ、明日からあの2人も俺と松本を会わせようとはしないだろう。
勉強の続きをしようかと机に座ったが、こんな疲れた状態じゃろくに集中出来ない。
いっそ昼寝でもしようかとベッドに寝転んで、すぐに起き上がった。
彼女に返信をしていない。
既読スルーは1番機嫌を損ねるんだ。
ああ、面倒だな・・・
土曜日は会えないと簡潔に返信をして、電源を切った。
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