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好きって言わない!

第9章 水と油と翔と潤と猫。





S side




「櫻井、ちょっと良いか。」




S「はい。」




朝、教室に入る前に担任に呼び止められた。



S「なんですか?」




クラス委員長として教師と話す機会は多いが、こんな朝から呼び止められるような要件は思い浮かばない。




うーん、と気まずそうに頭をポリポリかいている担任を見て、良い話では無い事は分かる。




「お前は顔が広いな、1組にも仲が良い奴がいるだろう。」




S「1組・・・相葉ですか?」



「ほら、もう1人。」



S「・・・・・。」




俺が一瞬嫌な顔をしたのを見逃さなかった担任が、申し訳なさそうに笑った。




「お前らは目立つんだろうなぁ。
昨日、お前と二宮が相葉と松本と下校してるのをたくさんの生徒が見ていた。
それが理事長の耳にも入った。」




S「・・・それがどうしたんですか。」




思わず舌打ちしそうになった。
悪目立ちしているなとは思っていたのだ。
客観的に見て目立つメンバーな上に、相葉と松本は声がデカイ。




S「相葉とは会えば話す仲ですが、松本とは会話した事もありません。
昨日はたまたま同じ時間に同じ方向へ歩いていただけです。」




「棘がある言い方だな・・・笑」




S「正直、彼のようなタイプは苦手ですね。」




キッパリと言っておいた方がいい。
牽制をかけたつもりだったが、ベテラン教師は気にもとめず話を続ける。







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