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好きって言わない!

第9章 水と油と翔と潤と猫。




S side



S「・・・いや、ちょっと待って下さい。
彼には家庭教師がいるんですよね?」



家庭教師がついてるくせに、こんな点数を取るという事は。
勉強する気が無いんだろう。




S「勉強する気の無い奴に勉強を教えるなんて無理です。」




「そこは友達として頑張ってくれよ。」




S「友達じゃありません。」




N「なに、どうしたの。」




教室の前で立ち話をしていた所へ、猫背でやってきたニノ。
相変わらず色白というか顔色が悪いというか。
ちゃんと朝ご飯食ってんのか?




「二宮か。お前、松本を知ってるだろう。」



N「まぁ・・・知ってますけど。」




ぶっきらぼうに答えるニノ。
俺をチラリと上目遣いで見る。




「詳しくは櫻井に聞いてほしいんだが、松本をよろしく頼む。
うちのクラス委員は優秀だからな、期待してるよ。」




ニッコリと笑って、この話は終わりだとばかりに俺らに教室に入る事を促す。
たぬきオヤジめ・・・




N「なぁ、どういう事だ?」




席につきながら、ニノが怪訝な表情で後ろの俺を振り返る。



かなり面倒な話だが、理事長に恩を売っとくのは悪くないか・・・
雅紀やニノもいるし、成績さえ上げれば1ヶ月でお役御免だ。




S「今日、松本の家に行くぞ。」



N「・・・は?!」




とりあえず、勉強だ。
逃げられないように家に乗り込もう。
どんな環境で勉強してんのかも知る必要がある。



忙しくなりそうだな・・・




クラス委員にヤンキーの面倒に、しばらく退屈はしなさそうだ。







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