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こじらせた初恋

第12章 それは突然

智 side







智「翔くん……?」



あまりにも動かないので心配になって翔くんの肩に手を置いた。



するとすぐにサッと振り払われた。






え?






そのまま床に座っていたからだを起こし、俺の隣に座り直した。




まだ黙ったままで、どうしたらいいのかわからなかった。



こちらを見ようともしない。



智「……なんか……怒ってる?」



恐る恐る声をかける。



でもまだ諦める訳にはいかない。



智「……ごめん。急ぎすぎたかも…松本くんには今度聞いておいて…」



譲歩したように言ったけど、合コンに行くのは決まってるよって伝えた。



そしたらね、翔くん笑いだしたんだ。



怖かった。



おかしくなっちゃったのかと思った。





翔くんは合コンに行かないと言う。松本くんも誘いもしないと。





ああ、ダメだ。



失敗した。



翔くんは何を言っても曲げない。



そんな頑固な部分がある。



それが今だ。



きっと何を言っても無駄に終わる俺の話を聞いてくれないんだ。





智「ごめんね。あんまりしつこく誘うから気分悪くなっちゃったよね。ごめん。別の違う人誘うから」



翔「智も行かないよ」



俺は行かないんだって。



なるほど。








なんだか怖い。



こんな風に俺の予定を決めてしまう人じゃない。



胸がドキドキと鳴る。



これは恋のドキドキじゃなくて緊張のドキドキだ。



早くこの流れを変えないと…!







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