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こじらせた初恋

第12章 それは突然

智 side







翔くんがコチラを見やる。



その目には傷ついたような怒りが宿っていた。



俺はその目を見ていられなくて、目を反らしてしてしまった。



怒ってるんだ。



俺が強引に誘ったから?



それとも……



智「彼女できたの?」



もしかしてこの前の人と会ってるのかもしれない。



智「ここに最初に泊まった時、来る前にその人に会ってたよね?その人と付き合ってるの?」

今その話をされないと思ってたのか翔くんは驚いた顔をしてた。





翔「…そんなんじゃない……」



あ、違うのか。



そんなんじゃないってやることやっといいてそうなんだ。



俺の知らない大人な翔くんだ。





でもその人が原因じゃないとすると…





やっぱり翔くんは俺のこと…?



そんなはずないよ。



翔くんのことだし。



もしそうでも言うはずない。



いつも安全で安定した道を通ってきた翔くんだもん。



きっとこれからのこと考えたらいくら翔くんだって…







翔「俺の気持ちわかってたよね?」



え?



翔くん。



翔「気づいてたでしょ?」



お願い、やめて。



それ以上…



智「……何が?」



それ以上言うのはやめて。



俺達の関係がこのままでいいじゃん。



変える必要なんて無いんだから。







翔「……智が好きだよ」



ああ。



一番聞きたかった人からの聞きたかった言葉。



一生聞くことなんて無いと思ってた。





でも、一番聞きたくなかった言葉。






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