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こじらせた初恋

第2章 再会

翔 side





翔「引っ越した?」


ウソでしょ?と言いながら少し笑っていた。


大学の時から俺のことを避けていることは感じてはいたが、まさか黙って俺の目の前から消えるとは思っていなかった。


智のお母さんに聞いてはみるものの


「翔くんには教えるな、って厳しく言われてるのよ~」


とはぐらかされるばかりだ。


智よ…


俺のことがそんなに嫌いか…


そんなに俺と会いたくないか…



激しいショックを受けたが、智のお母さんにどうしてもと何度も何度もお願いしたら智の住所を教えてくれた。


「智に怒られちゃうわ~。でも、あなたたちケンカでもしたの?」


そんなのコッチが聞きたかった。


「女?」


ニヤニヤしながら聞いてきたが笑ってごまかした。



智…


会いたい…


お前は俺に会いたくないのかな?








智のアパートは実家から15分くらいの所にあった。


出る必要あったのか?


いや、俺に会わないためか。


智のアパートに着く頃には、頭の全てがネガティブで覆われていた。


そもそもこの数年避けられてるのに、会ってくれるのか?


お願いして教えてもらった住所だが、智はまた迷惑そうな顔をするんじゃないのか?



そう考えていると智の部屋の前に着いた。


…やっぱり明日にしようか…


今週末のゆっくりした時間に来ようか…


いや、来週…




ええいっ!!


嫌なことは後回しにしない所が俺のいいところっ!!


どうにでもなれっ!!



ピンポーーーーン


チャイムの音が嫌に大きく感じる。


緊張して喉がカラカラに乾いてる。


この待ってる時間が無限に感じる。



ガチャ


智「はい」


ドアを開けた先に智の顔。


数年ぶりに会う智。


また嫌な顔されるんだろうか?


智「翔くん?」


思ったより明るい声に緊張がほどけていった。


智「久しぶりだねぇ。上がって」


ムリヤリにでも上がってやろうと思っていたが、意外にも智自ら中に通してくれた。




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