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こじらせた初恋

第2章 再会

翔 side





初めて入る智の1人暮らしの部屋にまた緊張がぶり返してきた。


智「麦茶でいい?」


智にもてなされるのはなんだかくすぐったく感じた。


静かに置かれた麦茶を一気に飲み干した。


智「おかわり持ってくんね」(笑)


緊張で乾いたのどに水分は気持ちよかった。


俺がたくさん飲むと思ったのか、ピッチャーごと持ってきて机の上に置いてくれた。


智「母さんから聞いたよ」


え?と顔を上げた。ギクリとした。
おばちゃん連絡してたのか。


翔「ごめん!!」


智「え?」


翔「俺が聞いたんた。…ムリヤリ。何回も何回も頼んで。おばちゃんはそのたびに教えられないって言ったんだけど…」


智「……」


翔「だからおばちゃんじゃなくて俺に。怒るなら俺を怒ってくれ!!」



土下座じゃないけど、床に座って手をついてるから、土下座みたいになってしまった。



智「…顔、上げて」



素直に上げると、智が俺の目を見て微笑んでいた。


久しぶりに目が合う智。


以前会った時よりキレイになってる。



智「翔くん?」



まさか見惚れてたなんて言えず、顔を机の方に戻した。



智「俺の方こそごめん」



翔「え?」



智「ずっと避けてて…」



まさか智からその話を持ち出してくるとは思ってなかった。



何度か聞いたことがある、なんで避けてるの?



その答えに満足したことなんてなかった。



智「実はね…なんか気まずくなっちゃって…」



翔「気まずい?」



智「うん。受験で勉強忙しいのもあったんだけど。冷たい態度取っちゃったし、なんて話せばいいのかわかんなくなって…」



翔「……」



智「そのまま、気まずいまま時間だけが過ぎちゃってさ…」



翔「ほんとに?」



智「うん。」



翔「ほんとにほんと?」



智「うん。ごめんね」



翔「なーーーんだ!!そんなことかーー!!」



智がそんな小さいことで悩んでるなんて思ってなかったから、どっと気が抜けて床に横になってしまった。



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