テキストサイズ

こじらせた初恋

第13章 これでよかったんだ

二宮 side







他に誰も残っていない中で、周りの電気が消えていたけど、一つの席だけ明かりがついていた。



いろんな資料とにらめっこしながらパソコンに向かって仕事をしている人。



大野さん。



また痩せた?





でもって大野さんのフロアに来たことほとんど無いから新鮮だな。



若干緊張する。笑





ニ「まだ仕事してんの?」



智「うん。もうちょいなんだけどね」



見たら隣の部署のマニュアルだった。



仕事手伝ったらわかりずらいもんだから手直ししてんだって。






ニ「こんなことまでしてんの?」



智「はは。うちの仕事無いからついでだよ」



ついででやんなくていい仕事までしてんのかい。



しかも自分の仕事が無いって大野さんが他の人のもしちゃうからでしょ。







ニ「家に帰りたくないの?」




大野さんが手を止めた。



うーーーんと唸っている。




智「まあ、そんなとこ。仕事してる間は何も考えなくて済むから」



こちらを向かず再び止まっていた手を動かし始めた。



家にいるといろいろ考えちゃうのか。





ニ「うち来ます?」



智「んー」



目はパソコンの画面に向けたまま。



智「行こうかな」



ふふって笑ったつもりだろうけど、顔は笑ってなかった。








ストーリーメニュー

TOPTOPへ