テキストサイズ

こじらせた初恋

第13章 これでよかったんだ

二宮 side








目の下にクマができてる。



そのクマをさらっとなでてみる。






人がいるのに安心したのかスヤスヤと寝息を立て始めた。









きっと。



自分でダメにしたんだな。



せっかくあの幼馴染くんと付き合えるかもしれないのに。



この人は自分より相手を大事にする人だ。



自分なんてどうなってもいいって思ってる。



でもそれが正解なのかな。



本当にこのままでいいと思ってる?







大野さんが進みたい道に進めばいいけど…



ちゃんと受け入れたの?



自分の運命を。



自分の選んだ道を。



ちゃんと納得したの?








大野さん。


俺の給料なんてどうでもいいから。



早く元気になってよ。






動かなくていい運命が違った方向に動いている。



歯がゆくも理解の薄い未来が轟轟とうねりを上げている。



ここにある幸福を投げうる覚悟が捨てられようとしている。



大野さんの取り巻く障壁は破られることなく気持ちを落下させてる。



光を。



どうか光を、と。

















ニ「ねぇ海に行かない?」



まだ寝ぼけたままの大野さんは、うえ?って変な声を出していた。







ストーリーメニュー

TOPTOPへ