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こじらせた初恋

第13章 これでよかったんだ

智 side







嫌だな。



気付きたくなかった。






全然翔くんの家に行かなくなったけど、翔くんは変わらず俺の部屋に来てた。



あまり来ないでほしいと暗に伝えても変わらず来ていた。



俺は翔くんの相手をせず、机に向かって勉強してた。





嫌だな。



翔くん今も見てる。



そう思ったら身動きが取れない。



翔くんの視線が形となって俺の全身を覆っているように感じる。








翔「……なぁ」



智「…」



翔「……なぁって!」



智「…」



翔「無視すんなよ!」



ベッドで本を読んでいた翔くんがいつの間にか俺の横に来て俺の顔を覗き込んでいた。



智「…へ?」



翔くんのことを考えてたら翔くんの話を聞いてなかった。



翔「へ?じゃねーよ。さっきから呼んでんのに」



翔くんは少しぷりぷりしてた。



智「あ…何?」



用事があるのかと聞くと翔くんは再びベッドに座った。



なんだよ。



なんかあったんじゃねぇの。



話聞いてなかったから怒っただけなのかな。







翔「あなた。キスしたことある?」



智「はあ?」



なんだ急に。



翔くん何言っちゃってんの?






恋愛とかそういう話を翔くんとしたことは無かった。



学校でそういう話をしても話に入らないから、苦手なんだなってわかってくれてるはずなのに。



なんだよ。



初キスでもした?








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