テキストサイズ

こじらせた初恋

第14章 冬日和の僕ら

翔 side








智「全然大丈夫だよ」



翔「ちゃんと食べてるのか?おばさんのおかず取りに行ってるのか?きちんと寝ないと体に悪いぞ!」



智「母親かよ!」



ふふふと智が笑った。



あ、俺に笑った。



やっぱりかわいい。



智の周りだけ花が飛んでる。



翔「俺がまた行ってやろうか?あなた放っとくと自分のこと疎かにしちゃうんだから」



それは咄嗟にいつもの調子で言ったワケで。別に下心があるわけじゃないということを言っておきます。



すると正面から笑い声がする。



翔「何笑ってんだよ!」



ニ「だって大野さんめちゃめちゃ世話焼かれてるし。櫻井でかい図体して口うるさいし。笑う要素しかないこれ」



智「元はと言えばニノが余計なこと言うからでしょ!翔くんは心配性なんだから!」



翔くんも心配なんていらないからねっ!と智が念を押してきた。



そんなに強く言われると、本当に心配はいらないというのと、俺をもう家に入れたくないのかと両方にも取れる。



智は優しいから後者じゃないことを願うけど。






久しぶりに間近に見た智。



ハイネックを着ていたが、その服と細い首の隙間から俺の噛み痕が覗いていた。



まだ治ってないそれは、生々しくおかしな気分にさせた。



智を傷つけた罪悪感と、初めて智に触れ首に自分の痕をつけた高揚感と。








雅「まだ食べれる人ー?」



この中で一番の大食い(たぶん)が追加で飯を頼もうと提案してきた。







ストーリーメニュー

TOPTOPへ