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こじらせた初恋

第15章 再会がもたらしたもの

翔 side







智「ありがと」



体を支えた俺にお礼を言う。



その手にはいくつかのペンが持たれていた。



翔「……買うの?」



すると智は自分の手元に目を移した。



智「これ?会社で使うのにどれがいいかなって思って」



翔「会社だったら支給されるでしょ?智の会社だったら好きなのを選べるでしょ?」



ペンの1つくらい買えばいいが、俺は会社のものは会社で揃えてもらってるから、智のように大手だったらそれが徹底されてるだろう。



細かいことだが気になってしまった。



智は抜けてるところがあるから。



智「そうなんだけど。明日使うんだ。全部ペンダメになっちゃってさ」



明日会社で使うのだと言う。



本当に休日出勤なんだな。



正直、早く帰りたくて嘘ついてるのかと思った。



智は早く帰りたがりだから。



翔「忙しいんだな」



智「うーん。4月から部署は変わらないんだけど、ホラ役職が変わると仕事も変わるみたいで。その引継ぎ」




だから忙しいのは今だけだよ、と乾いた笑いで言った。



結局智はペンを3本くらいと、俺はあったかドリンクを2本買った。



コンビニを出た所で、余分に買った缶コーヒーをあげると、智はありがとうと受け取った。



あったかいなーとそれをほっぺたに当てている。



かわいいな。







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