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こじらせた初恋

第15章 再会がもたらしたもの

翔 side







智「雪なんて久しぶりだね」



帰り道をトボトボと歩いた。



翔「昔よく雪だるま作ったよな」



最後の会話は当たり障りなく。



智「そうそう!雪合戦とかもしてさ。俺いつも翔くんに負けてたな」



嫌な思い出で終わりたくないから。









智「じゃ。早くあったまってね」



俺の家の前まで来た。



今日は寒いから実家に泊まればと提案したかったが、きっと断るだろうから言わなかった。



翔「雪だから気を付けて」



最後に抱きしめたかったが行動に移すことはできなかった。



キスをしたかったが足が全く動かなかった。



智「……じゃあ…」



俺はこの時、智は「またね」とか「バイバイ」って言うもんだと思ってた。



それはいつも言ってる言葉だったし、何より無意識に期待していたんだと思う。







智「………………サヨナラ」








瞬間、目頭が熱くなるのを感じた。



ああ、本当に終わりなんだ。



俺達の歴史が。



あっという間に。







去っていく智の背中。



今日2回目だな。





その背中が途中振り返ったが、まだ外にいる俺に驚いていた。



智「翔くん!早く家入って!風邪ひいちゃうよ!」



翔「うん!」



早く早く!と言われても、うんうんしか言わない俺。



智も諦めて手を振った。







翔「………………」



智の背中を見えなくなった瞬間。



涙が溢れて止まらなかった。



翔「くっ……ううっ…………うううっ…」






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