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こじらせた初恋

第16章 あれから

智 side






ニ「こないだね。墓参り行ったんですよ」



智「例の彼女の?」



ニ「そう。あの彼女の墓参りに一緒に行ったんです。相葉さんと」



智「相葉ちゃんと?」



その時はまだ付き合ってなかったんですけど、とニノが付け加える。



相葉ちゃんと墓参りに行ってるなんて驚いた。



相葉ちゃん嬉しかっただろうな。






ニ「そしたらたまたま会いまして。彼女のお母さんに」



ニノが言うには墓参りに行くと、たまたま彼女の母親と遭遇したらしい。



ドキドキ。



どんな話をしたんだろ。






ニ「そこでね。俺の顔見て言われたのよ。もう来るなって」



智「え?墓参り来るなって?」



ニ「そうなの。あー俺もう嫌われちゃったんだなって思ったよ。向こうは友達と来るついでに来たんだと思って」



ニノが頭を抱えてる。



ニ「そんな思考を巡らしてたらね…」



あれ?



ちょっとニノ涙ぐんでる?



ニ「さらに言われたの。
あなたはあなたの人生を生きなさい。娘のことはもう忘れなさい。娘を思って苦しまなくていい。あなたはあなたで幸せになりなさい。それを娘も願ってる。って」



ニノの目から涙が出てきた。



ポタポタと雫が机に落ちてる。



ああ。



やっと今ニノが救われてる。



長い間浸かった罪悪感の湖からやっと出ることができる。



相葉ちゃんの力も借りて、重くて上がらない足を動かしてとうとう前向きな一歩を歩み出したんだ。



嬉しい。



嬉しいよ、ニノ。







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