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こじらせた初恋

第17章 つなぐ

翔 side







本を選びながら智のことを考える。



あの人ちゃんと食べてるのかな、とか。



部屋掃除してんのかな、とか。



藤原竜也に似てるな、とか。



俺のことは志田未来ちゃんに似てるとか言ってたな、とか。



元気してるか、とか。



今幸せか、とか。









思い出したことがある。



高校の時、智にキスしようとしたこと。



未遂に終わったけど。



あれは智のことを気になっているという女の子が智と帰った次の日だ。



その子と智がキスしていたという噂がたった。



途端、智の発言は注目の的。



もちろん智はしてない、と言う。



「誰が会ってすぐすんだよ!バカじゃないの!」



そう言ってプリプリ怒ってた。



それが嘘を言ってるようには見えなかったけど。



智の唇についつい目が行ってしまう。



薄いと思っていたそれは、思ったより厚め柔らかそう。



智はどんなキスをするんだろう。



女の子とどんな付き合いをするんだろう。



智は否定したけど、本当にキスしてないんだろうか。





考え出すと止まらなくなって2人の時についつい聞いてしまった。



「あなた、キスしたことある?」



もちろん智はこれも否定したが、智の唇から目が離せない。



「…おれが練習してやろうか?」



ワケわかんないこと言ってるって自覚はあった。



でもこれで智とキスできるなら。







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