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こじらせた初恋

第17章 つなぐ

翔 side







部屋のドアは開いていた。



そっと覗くと人影がある。



やばい!



緊張で口から心臓が出そう!







その人影がゆっくりと動く。



俺の部屋にある本を読んでいたようで、手に持っていた物を本棚に戻す。



そしてゆっくりと振り向き俺を見たその男。









翔「智」


智「おかえり。翔くん」









ゾッとする美しさだった。







黒い服を身にまとい、妖艶に微笑む。



以前は天使だと思ったその姿。



今は悪魔のように見える。



いや。



魔王のようだった。








智「本屋行ってたんだって?」



智がいる驚きと、その美しさに見惚れてしまって部屋に入った所で固まってしまった。



俺は何を言われるんだ?



どうしてまだ俺の前に現れるんだ?



智がこんなにも美しい。



そのどれもが顔に出ていたらしい。








智「こっち来て座ったら?」



俺に動くよう促してくる。



智は、ここ俺の部屋じゃないんだけど、とまた笑った。



ドキドキする。



もうドキドキさせないでくれ。







はあ、と深呼吸する。



心を整えて俺は自分の部屋に入り、来ていたコートを脱いだ。



それをハンガーにかけると背中に暖かいものがぶつかる。








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