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こじらせた初恋

第17章 つなぐ

智 side







久々に会ったおばさんは、特に理由を聞くこともなく翔くんの部屋へ案内してくれた。



翔に連絡しようか?と何度か聞かれたけど、待ってたいからと断った。



だってまだ心の準備ができてない。



ニノに言われたからって簡単に実現できない。






あの日、ニノが相葉ちゃんと付き合ってるって聞いた日。



翔くんに告白しろって言われた。



ダメだったら一緒に死んでくれると。



ニノの目は本気だった。



本気で俺に翔くんに好きと言えと言っていた。



俺は辛くて、嬉しくて、切なくて、楽しみで。



そんないろんな感情が一気に溢れてきて、堰を切ったように涙が溢れ、人目も憚らず大泣きしてしまった。



ニノはそんな俺の頭を撫でてくれた。



そんなこと無理だという感情と、もうこの気持ち告白したいという感情がせめぎ合ってた。



でもどこかホっとしていた。



告白できる。



告白していいんだ。



溢れてしまうこの気持ちを。





無意識に自分にストッパーをかけていた。



こんな気持ち持ってちゃダメなんだって。



でも、ニノが告白しろって。



そう言ってくれて初めてこの気持ちを認めてもらえて。



認めてもらうことで、この気持ちを外に出すことを許されるんだって。



ニノに言うと、何言ってんだ、って。



こんなにキレイな気持ち言わないでどうすんだ!って。



怒ってくれた。





だから。



俺決めたんだ。



翔くんに告白するって。







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