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智　side







なんだ。



智「わかってんのかと思ってた」



翔くんのテクニックとやらに何も対応できなかったし。



翔「まさか」



むしろ知らなかったからあんなに一気に進めたのかい？



翔「知ってたら無理矢理あんなことしなかった」



翔くんはひどく傷ついた顔をした。



ああ…



あの日の事。



俺の家で翔くんが無理矢理…



智「……」



翔「それは関係ないか」



初めてとか関係無く酷いことをした、と微かに聞きとれる声がした。



智「もういいよ。あのことは。嬉しかったって言ったじゃん」



俺も悪かったし。思わせぶりなことしたし。



翔「ごめんな…」



俺の頬を撫でる手は外に帰ってきた時とは比べ物にならないくらいあったかかった。



智「俺の方こそ。前に告白オッケーしなくてごめん」



翔くんの手が気持ち良くて目を閉じる。






翔「聞いていい？」



智「ん？」



俺の顔から手を離された。



なんだか切なかった。









翔「なんで今、好きって言ったの？」



智「……」



なんでだっけ？



なんだか今満足しちゃって。



翔くんの側にいると安心してウトウトしちゃうな。



そういえば。



『櫻井さんに告白しましょう！』







智「あ！」



翔「ん？」



智「ニノに言われたからだ！」



翔「はん？」



智「ニノに強く勧められて告白しました！」



翔「何それ？」



ちょっと怒ってる？