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こじらせた初恋

第18章 未来へ









そっと唇が離れる。



あれ?



キスしてきた男の顔がみるみる。



智「どうしたの?めっちゃ赤いよ」



翔「ううう~」



両手で顔を隠した。



なんだ?



翔「智と両想いになれたんだと思ったら恥ずかしくて」



俺と同じこと思ってんじゃん!



嬉しい!



俺は翔くんの手を解いて顔を覗いた。



気まずそうに結んだ口がかわいくて、チュっとキスをした。



翔「……それ」



すごく驚いた顔をした。



智「ん?」



翔「さっきもさ、キスしてくれたよな、今も。それがすげー嬉しくて」



なんだ、そんなこと。



すると今度は目が赤くなり、みるみる潤んでいった。



ええ?ええ?



その目から雫が落ちる前に、俺は無意識に翔くんを抱きしめていた。



翔「智から何かしてくれたこと無かったから。全部俺から…」



翔くんは俺の肩に顔を埋めてる。



智「ごめん…」



謝って済むことじゃないけど。



怖かったから。



何もかもが。



断られたり拒否されるのが怖かった。



それが友達としてでも。



翔「違う。謝って欲しい訳じゃない。…ただ、嬉しくて。嬉しくて」



俺は更に強い力で抱きしめた。



翔くんも応えるように抱きしめ返してきた。








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