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こじらせた初恋

第5章 同僚

智 side








ニノは俺の同期。



研修で馬が合って、急激に仲良くなった。



でも研修が終わって、それぞれ配属された部署は違った。



仕事をする階数も違うし、仕事内容も全く違った。



だから同じ会社なのに会うことは無かった。



おかげで、配属されてすぐはよく会っていたが、忙しい時期も違うので、お互い気を遣って連絡が少なくなり、あまり会わなくなった。



今日は数ヵ月ぶりに会ったのでお互いニヤニヤして気持ち悪い。笑



肘でお互いをウリウリにてる。



話すことがいっぱいあるなー、ニノ。




ニ「へーあの幼馴染との友情復活ですか」



挨拶や乾杯も済んで、みんなある程度盛り上がったのも落ち着いた頃、俺はニノとすみっこで話していた。



俺と翔くんの友情の復活を簡単に話した。



それはそれは、喜んでくれた。



ニ「やりましたね。大野さん」



ちなみにニノは俺のことを『大野さん』と呼ぶ。



それはもちろんあんまり仲良くないってことじゃなくて、あだ名みたいなもんだ。



俺はコレが気に入ってるからいいんだ…



ちなみに友達で俺のことを『智』と呼ぶのはただ1人…



智「毎日楽しくてしょうがないよー」



翔くんの話をするだけでも楽しい。



ニノにはなんか、会った時には見抜かれてた。



男好きでしょ、って。めちゃめちゃビックリした。



でものニノが言いふらしたり、おもしろがったりする人じゃないってわかってたから、素直に話した。



もちろん、ニノが俺のそういう対象じゃないことはニノもわかってる。



男というか、翔くんが好きなんだ。



他の人を好きになる方法を俺は知らない。



そんな俺の気持ちを知る唯一の人。



ニノにはなんでも話しちゃう。



仕事もできるし、尊敬しちゃう。



俺のこのくだらない気持ちを、笑わず受け止めてくれる。



好きな人がいることは、すばらしいことだって、言って聞かない。





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