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こじらせた初恋

第6章 久しぶりの部屋

翔 side






やっちまった…



俺は何やってんだ…



智にキ…



キス…しようとするなんて…



いくら久しぶりに会ったからってキスはしないだろ…



恋人同士じゃないんだから…



だって、あれから…



二宮と智の後ろ姿を見てから…



その姿が目に焼き付いて離れなくて…



気が付けばずっと智のことを考えていた。




正直、学生時代に俺より仲のいい人間は、智にはいなかった。



…と、思う。



俺は智と一番仲のいい人間だと自負していた。



大学入って全く会っていなかった時も、智のお母さんは、誰も遊びに来なかったと言っていた。



他に仲のいい友達はできてないとも、言っていた。



だから、俺より仲のいい人ができていないことに安心していた。



だけど、智と再会して、やたら聞く二宮の話。




俺と智は、結構違う人間だと思う。



好きなものや、嫌いなもの、苦手なもの。性格も違う。



その凸凹具合がうまく合わさるのが、俺と智だ。



違う部分が楽しめる。



だけど、二宮と智は、同じ人間のような気がする。



ちょっと個性的な性格に、自分を強く持ってる芯の強さ。



ノリも近いし、他人への興味の無さ、どれも似てる。



その二宮の存在に焦りを感じているのは、1番の友人の居場所を取られそうなだけなのだろうか…




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