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こじらせた初恋

第6章 久しぶりの部屋

翔 side






智は二宮のような人間が好きなのだろうか。



そんな思考に至ってからは、2人を良からぬ方向に考えてしまっている。



そして考え始めると止まらなくなるんだ。



『翔くんはもちろん、1番の友達だよ。』



よかったよ、智。



『俺のことわかってるし、一緒にいると楽しい』



そうだろうそうだろう。俺も同じ気持ちだよ。



『でもね…』



あんな二宮より、俺の方がいいだろ。



『恋人としての1番はニノだからごめんね、翔くん』



え?



ウソだろ智!



そんな二宮と手をつないで行くな!やめろ!



『バイバイ、翔くん』



智ぃぃぃぃぃぃ!






「翔!あんた大丈夫?」



母親の言葉にはっとした。



思考が変は方向に行って現実と区別がついてなかった。



俺はサッパリする為に洗面所で顔を洗った。



冷たい水が顔にかかって、頭がシャキッとする。



二宮の存在でわかった。



ここ最近、そのことばかり考えていた。



今日智の顔を見たらハッキリした。



わかったんだ。



いつからかはわからないけど、前からそうだったんだ俺の気持ちは。



俺は…



好きなんだ。



智が好きなんだ。



さっきキスをしようとした時



智「俺に会えなくてそんなに寂しかったの?」



気まずくならないように、明るい声で智が言った。



何も考えてなさそうなのに、いつもそうやって気を遣ってくれる。



そして、下唇を噛んだ。



智が言いたいことを我慢してる時にする癖。



いつもわからないけど、今日はわかるよ。



俺が抱きしめてキスしようとしたのがイヤだったんだよね。



ごめんね。



自覚したこの気持ちだけど



智には迷惑かけないから…




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