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こじらせた初恋

第7章 招かれざる客

智 side






智「俺、男だよ?」



翔「それ、相葉ちゃんが二宮と付き合いたいっつった時点で思うことだよね?」



雅「二宮くんと付き合ってるから、俺のこと反対してんじゃないの?」



なんでだよ。



めちゃめちゃ疑ってるな。さては、そのことも確認しに来たな。



智「ホントに付き合ってなんかないよ。ってか、ニノは誰とも付き合わないよ」




翔「え?」



雅「なんで?」



智「一応連絡してみるけど」



俺は携帯を取り出し、ニノにメールした。





雅「ねぇ大ちゃんなんで?なんで二宮くんが誰とも付き合わないの?」



智「あのね…」



ニノには高校生の時から付き合っている彼女がいた。



高校の時はケンカするたびに別れたり、くっついたりしてた。



そんな2人も落ち着いて、大学生になった。



いろいろ分かり合い、ニノは、いつかこの子と結婚するんだろう、と考えるようになった。



そして、運命の日がやってきた。



くだらないことでケンカした。



彼女に腹を立て



ニ「お前の顔なんて見たくない!!」



頭に血が上って、そんなことを言ってしまった。



思ってもないことだ。



彼女は出ていくその瞬間、涙を流しながらコチラを見た。



その姿が、彼女の最後だった。



彼女は部屋を出て行った。



その日は記録的な大雨だった。



彼女も頭に血が上っていたのだろう。



視界もクリアではなかった状況で左右も確認せず、道路へ飛び出した。



そこへ、法定速度をはるかに超えたトラックが突っ込んできた。



即死だった。



ニノは彼女の両親に土下座した。



俺が殺した。



俺があんなこと言わなければ…



俺とケンカしなければ…



俺が追いかけていたら…



俺と付き合わなければ…



俺と出会わなければ…



ニノは謝り倒しても、謝り足りなかった。



でもご両親は責めなかった。



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