テキストサイズ

こじらせた初恋

第7章 招かれざる客

智 side








娘がもっと、安全確認をしていれば…



娘がケンカをせず、大きい器で君と接していれば…



君にこんな思いをさせなかったのに…



ごめんよ、二宮くん…



そして、ありがとう。



娘と付き合ってくれて…



二宮くんの話をする娘は、本当に嬉しそうだったよ…



娘は幸せだったよ…



彼女の両親はそう言ってくれた。






それでも、ニノは自分を責めることを止めなかった。



あの時最後に言った言葉が、こだまして頭の中に響いている。



あの時の最後の彼女の顔が、瞼の裏に焼き付いて離れないでいる。



智「ニノは自分で自分が許せないんだ」



雅「…」



翔「…」



智「彼女を殺した自分に、幸せになる資格なんて無いんだって…」



ニノの話を2人は黙って聞いていた。



俺はこの話を聞いた時、何も言えなかった。



話のヘビーさもあったけど、ニノが淡々と話す姿にもどうしていいかわからなかった。



居酒屋で、昨日あった出来事みたいに軽く話すんだ。



俺が勝手にやってることなんだけどねー。彼女は喜んでないと思うけどねー、って、簡単に言うんだ。



雅「…そんなことない」



智「え?」



雅「幸せになる資格無いなんて、そんなこと絶対無い!」



相葉ちゃんが俯いていた顔を上げた。



うん。俺もそう思う。



俺には、その心の奥を変えられない。



変えられないけど、ニノが幸せになってほしい。



ニノは幸せになっていいんだ。





その時、俺の携帯が震えた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ