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こじらせた初恋

第8章 君と僕にあるもの

二宮 side








大野さんはモテる。



仕事はできるし、それをひけらかさないし。



優しいし、仕事のフォローもうまい。



人付き合いは得意じゃないけど、それもまたかわいいんだと。



そんで、絶世の美形と来たもんだ。



そら、モテるわな。



でも本人気づいてないんだよね。



会社の人に連絡先とか聞かれるから教えるじゃん?



食事に誘われるじゃん?



食事行くじゃん?



かわいいじゃん?



会社の人間として接されるんだって。



ああ、脈無いんだって、思っちゃうんだって。



そしたらなんにも言えなくなっちゃうんだって。



だから、告白はゼロ。



イコールもててないって思ってる、この人は。



智「ニノはいいなあ。もてて。俺なんか全然モテないよ」



ずっこけたくなるよね。



コントかよ。



下手したら俺よりモテてんじゃねーか。



マジ全然自分のことわかってないよね。




ちなみに俺は、聞かれても連絡先も教えないから、直接告白してくる人が多いだけ。



最近は協定結んで誰も告白して来なくなったけど…






このモテ男は、実は男が好きときたもんだ。



いや、おかしいと思ったのよ。



こんなにキレイな顔してるし、性格もいいし、誰とも付き合ったこと無いなんて、さ。



まぁ、人には事情があるもんだと、自分を含め思った。



だから深くは聞かなかったんだ。



大野さんがすげーいい人だし、気が合うし、ついつい酔った勢いで自分のことを話してしまった。



俺の彼女だった人のことを…



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