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こじらせた初恋

第8章 君と僕にあるもの

二宮 side







そしたら泣いてやんの。



辛かったね。自分を責めちゃうよね。でもね。



俺はニノの幸せを願ってるよ。友達だもん。



だって。



すげーな、この人、って思っちゃったよ。



俺も泣いちゃったよね。笑



2人でおいおい、居酒屋で泣いちゃったよね。



俺、幸せになってもいいのかな、って思っちゃったもん。



でも、彼女以上の人が現れるとは思えないけど。





俺はずっと気になってることを聞いた。



ニ「女の人、好きじゃないの?」



それを聞いた大野さんは、驚きを隠せない顔で俺を見た。



でもすぐに破顔し、誰にも気付かれたことなかったのにー、と告白を始めた。



会社にいる一番の美人にも、何も思わなかった男のその理由が紐解かれていった。



大野さんは男が好きなんだって。



何年も好きな男がいるんだって。



その人と距離を取ったけど、好きが治まるどころか、好きが溢れてくるんだって。



どうすれば諦められるのか、教えてほしいって。



俺は正直羨ましいって思ったよね。



アホの同僚は、キョトンとしてたよね。



好きな人がいて、その人が生きてるなんて、めっちゃ幸せじゃん!



その人と同じ時間を生きて、同じように年を重ねることができんだよ?



温かいその肌に触れることができるし、泣いていたら一緒に悲しむことができる。



そのことがどんな幸せかわかる?



諦める方法を探してる暇は無いんだよ。



俺の彼女だった人は大学生のまま成長が止まってる。



あなたはアホだけど、人の幸せを願うことができる人じゃん。




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