テキストサイズ

こじらせた初恋

第8章 君と僕にあるもの

二宮 side






すると、大野さんが、そろそろ行こうとやって来て、俺の肩を組んだ。



そしてすぐさま歩き出したが、幼馴染くんはいいのかい?と思って振り返った。



そこにはすごい顔して俺を睨む幼馴染くん。



え?俺、なんかした?



よくわからなくて微笑むと、少し驚いた顔してさらに睨んできた。



幼馴染くん、怖いぜ。大野さんよくあの人と俺が仲良くなれると思いましたね?




ニ「いいの?…あの人と遊びに行かなくて…」



智「うん!友達といるの邪魔したくないし!」



無理やり笑って、ははと声を出した。



俺の肩から腕をどかした。



途端に体が軽くなる。



もう解散しそうな雰囲気あったけどね…



大野さんがそれでいいならいいけど。



たぶん、大野さんは自分から誘ったことが無いんだと思う。



その勇気が無いんだ。



自分から行くのが悪いって思ってるんだ。



あの人から来てくれるぶんには、そこに甘えられるんだ。



甘えてばっかりな自分に嫌気がさしてる。



どーーんと体をぶつけてふざけることしかができない。



切なくしてるキレイな横顔を見つめる。



この人はどれだけ我慢してるんだ。



どれだけ自分が嫌になってるんだろう。



誰も望まない切なさを抱えて生きてる。



そんなことやめてしまえ、と思う。



自分を出して生きろよって。





ああ、そうか。



それは俺のことか。



でも大丈夫。



大野さん、あなたには。



もうすぐ幸せな結末が待ってますよ。



だって俺を睨んだあの人の目は…



ね?




ストーリーメニュー

TOPTOPへ