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こじらせた初恋

第8章 君と僕にあるもの

二宮 side






ニ「でも、なんで俺と連絡取りたくなったんだろうね」



智「それは…」



実はずっと気になっていた。



だって数分近い空間にいただけだし。



見ただけだろ?



大野さんから最初メールが来た時は、あの時会った人が連絡取りたいから教えてもいい?ぐらいだったし。



だいたいこの手のことは断るんだけど、珍しく大野さんが言ってきたのと、男だからまあいいかという感じだった。



相葉さんに直接メールで聞けばいいんだろうけど、なんか話のつながりが無いようでタイミングをつかめないでいた。



智「ニノに先に言わないといけなかったんだけど…」



ニ「なに?」



智「あのね…」



ニ「なに?怖い話?」



智「…こわい…かも」



ニ「余計気になるわっ!なに?」



智「怖いっていうか…引く…かも」



ニ「俺が引かない人間だって知ってるでしょ?」



智「…そうだけど。…さすがに…」



さすがにって。どんな爆弾持ってんのよ。



ニ「引かないから言って」



大野さんが決意したように、俺の方を向いた。



俺も改まって、背筋を伸ばした。



智「…あのね…相葉ちゃんね。…ニノのこと…好きみたいなんだよね…」



ニ「なんだ。そんなこと……」



え?



俺はすごい勢いで顔をあげて大野さんを見た。



大野さんは俺と目が合うとコクリと頷いた。



智「俺が…翔くんを好き…みたいに…好き…みたい…」



開いた口が塞がらないのは正にこのことだった。



俺のことが好き?



大野さんがあの幼馴染を好きみたいに好き?



まともに会ったことないのに?



智「…ごめんね。最初に言っとくべきだったんだけど…」



言いずらくて、と大野さんは肩を落とした。



ニ「謝らなくていいよ。怒ってないから」



智「…ホントごめん…」



大野さんはどんどん小さくなって俯いていた。




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