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こじらせた初恋

第9章 誤解

二宮 side








大野さんも幼馴染の異変に気付いたのか。



智「冗談だよー。ははは。翔くんすごい顔してるよ」



そんなにビックリした?ってからかってる。



大野さんやめて。



これ以上変な空気にしないで。



俺の気持ちも届かず、大野さんはケラケラ笑ってる。





翔「こんな、夜遅くにどうしたの?」



幼馴染が大野さんだけを見ている。



ナイス!ナイス切り替えです!







今はもう日付を変えた深夜。そうだよね。幼馴染がそう思うのは不思議じゃないよね。



でもこの流れはまずい。



やっぱまずい。



非常にまずい。



智「ニノ終電逃しちゃってさ。俺んち泊まることになったんだ」



ね?って俺に同意を求めてくる。



壊れた人形のように上下に首をコクコクと振った。



爆弾が投下された音って静かなんだな。なんて、バカみたいなこと考えた。




翔「泊まり?そいつ泊めんのか?」



信じられないというふうに大野さんを見てた。



そりゃそうだよね。



自分は泊まったことないのに、会社のヤツ泊まらせんのか?って話だよね。



そら、この人から見たら面白くないよね。



智「うん。翔くんも泊まる?みんなでお泊まり会しようっか」



あっ。



翔「ふざけんなっ!」





その瞬間、幼馴染がすごい勢いで出て行った。



バタンと扉が閉まる音に2人してビクっとした。



大野さんが俺を見る。



その目は乾いていた。



揺れる瞳は、大野さんの心だろう。



小さな声が聞こえた。



智「なんかしちゃったかな。はは」



はは、って。顔は全然笑ってなかった。







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