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こじらせた初恋

第9章 誤解

二宮 side







大野さんちに泊まって、もっとゆっくすればいいのにと引き留められたが、ゲームしたいからと朝早くに出た。



すると後ろから足音がする。



それが俺の後をついてくる。



尾行かよ。



ここじゃまずいな。



大野さんの家に近い。



話をするにしても、大野さんに見られるかもしれない。



おれはそのまま尾行してくる奴をほっといて、ずんずんと歩いた。




5分ほど歩いて足を止めた。



後ろの奴も止まった。



ここで大丈夫だろう。



大野さんの家からは遠く離れてる。



ニ「何か用?」



翔「え?」



大野さんの幼馴染はえらく驚いた声を出した。



尾行されてることに気付かれ、俺が声かけたもんだから。



ニ「何?家まで付いてくるつもり?」



振り返ると、幼馴染は昨日の威勢のいい男ではなく、とても戸惑っているおろおろした男だった。



翔「…」




手には、なにかのタッパー大量に入った袋を持っていた。



あ、おかずか。



大野さんちのおかずを持ってきてくれてると、頭の片隅にある記憶を呼び戻した。



ニ「黙ってちゃわかんないよ」



翔「…」



二「なにか言ったらどう?」



俺から話しかけてくると思ってなかったのか、幼馴染は気が動転しいるようだった。



話す気が無いならと、俺は踵を返した。



翔「泊まったのか?」



もとの進行方向に一歩踏み出すと、ようやく幼馴染が声をかけた。



ニ「泊まりましたよ」



何を今さら。わかりきったことを。



俺は再び幼馴染の方を向いた。



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