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こじらせた初恋

第9章 誤解

翔 side







二宮は智の心の中に入り込めている。



俺がダメで二宮が許される所はどこなんだろう。



俺のどこがダメなんだろう。



大学の時には思わないようなことを思うようになってる。



大人になれば色恋をもっとスマートにできるもんだと思ってた。



でも今の俺はなんだ。



二宮に嫉妬して。



智に八つ当たりして。



相葉ちゃんにも八つ当たり。



感情がうまくコントロールできない。



俺は何をやってるんだ。





俺の肩にいた彼女が俺の腕を引っ張ってどこかへ連れて行こうとしていた。



何も考えたくないと思いながらどうしても考えてしまう想い人。




酒でふわふわした俺の思考も足取りも、彼女が前へと誘ってくれる。



潤「翔さん!どこ行くの!」



ちょうど曲と曲の間になり静かな空間が流れた。



連れて行かれる俺に松潤は声は耳に届いたが、振り向く力など無かった。








連れて来られたのはトイレへと続く長い廊下だった。



ここは一つ扉を通ったので、少し音は小さくなる。



「誰のこと考えてたの?」



グロスでキラキラと光る唇がかわいく動く。



翔「え?」



「誰かのこと考えてたでしょ?」



見破られてしまった。でも悪い気はしなかった。



「彼女のこと?」


キレイな髪の毛がクルリとなっていて、思わず手を伸ばした。



翔「好きな人のこと考えてた。片思いだけど」



うなじをさわさわと触ると気持ち良さそうに首を伸ばした。



男にはない丸みを描いた白い腕を俺の首に巻き付けてきた。と思ったらキスされた。



チュっと小さく鳴った。



「今日だけ私のことをその人と思っていいよ」



その人の名前なんて言うの?と言い終わる前に壁に押し付けてその唇に噛みついた。





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