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こじらせた初恋

第10章 許された場所

翔 side







目の前に智がいる。



ああこれ夢だ。



なんかわかっちゃうんだよね、これが夢か現実かどうか。



智は俺に抱き着いてくる。



翔くんが好きだよ。



ありがとう。俺も智が好きだよ。



うれしい。



キスしていい?



いいよ。



両手で智の顔を挟む。



智は目をつぶっている。



智の薄い唇に俺の唇を重ねる。



柔らかい。思ったよりリアルな感触なんだな。



ありがたや。









朝の光に起こされ、うっすらと目を開ける。



ああこれは現実だ。



もう冷めたのか。もっと見ていたかった。



目の前にはスヤスヤと寝てる智の顔。



なんだ、智か。




え?






翔「さっ、智?」



これ現実だよな。



智「…ん?」



俺の声に反応して智も起きた。



智「やべ、寝ちゃってた」



よだれを袖で拭きながら上半身を起こした。



智「おはよ、翔くん」



翔「あ、お、おはよう」



ふにゃんと笑った顔はやっぱりかわいい。



智「翔くんシャワーする?」



俺に自分の部屋着を差し出してきた。



え?



俺、下パンツじゃん!



なんで?もしかして俺、智と?



智の方を見て自分で自分を抱きしめるような恰好をした。



朧気に思い出される艶めかしい姿。



翔「俺、もしかして智と…?」





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