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こじらせた初恋

第10章 許された場所

翔 side







智は最初、ん?よくわからないって顔をしたけど、すぐに俺の言わんとしてることを理解して、ぷっと吹き出した。



俺と同じように自分で自分を抱きしめた。



智「何考えてんの~?翔くんのエッチ!」



ニタニタしながら左右に揺れてた。



ほっ。この様子だと何もしてないな。



翔「よかった。あれは違う…」



あ!しまった!



智「違う人の記憶?」



翔「え?あ、いや、その…」



口を滑らしてしまったあとの言い訳を思いつかなかった。



あの記憶は智じゃない。クラブで会った女の子だ。



誘われこそしたが、最終的には自分から噛みついていた。



そのことを智に知られたくなかった。






智「何。ごまかさなくていいじゃん。俺らいい歳なんだし不思議じゃないよ」



言い淀んでいる俺にフォローを入れてくれたが、俺はそこまでわかってくれる智に傷ついていた。



確かにそう、なんだけど。智に言われるときつい。いや、俺は悪いんだけどさ。言ってること合ってるんだけどさ。



最低な俺の最低な行動を思い出しながら、俺はやっぱり最低だって身に染みて感じていた。



智「それより、早くお風呂入って!煙草とお酒の匂いすごいよ!」



立ち尽くしてる俺の背中を智はお構い無しに押してきて、風呂場に入れられた。




シャワーを浴びながら、昨日の汚れた自分を洗い流す。



智を思いながら、智に怒り、二宮に嫉妬して、会ったばかりの女を抱いて。



女の匂いのする体を何度も丹念に洗った。



罪悪感でいっぱいだ。



こんな俺智を好きにでいていいんだろうか。



問いかけた所で、気持ちを抑えることなんてできないけど。







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