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こじらせた初恋

第10章 許された場所

翔 side







さっさと食べてしまおうとトーストを持ち上げた。



この後の智の言葉に驚くことになる。





智「…そういえばさ。俺、翔くんに」



一口が大きい俺はトーストを真ん中までかじった。



智「…キスされちゃった」



は?



ブホッ



ゴホゴホゴホッ



パンが喉に詰まった。



智「翔くん大丈夫?」



大丈夫じゃない。



変なとこに入って咳が止まらない。



智は急いで水を持ってきてくれた。



それを受け取った俺は一気に飲み干し、パンを流し込んだ。





は?



聞き間違いか?



翔「なんてった?」



智「え?」



翔「今なんてった?」



智「翔くん大丈夫?って」



違うよ!心配してくれるのは嬉しいけど違うよ!



翔「その前だよ!」



何のことを言っているのかわかったのか、ああと言い直した。



智「…翔くんにキスされたって…」





やっぱり聞き間違いなんかじゃない。



翔「………マジで?」



智「マジです」



俺の驚き具合に智は笑ってる。



智「俺が好きだ、とも言ってたよ」



は?



翔「…俺が言ったの?」



智がうなずく。



智「マジです」



マジですか…



じゃあ、あの夢は……



あの夢は現実だったってこと?



柔らかい唇は夢じゃなかったってこと?







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