テキストサイズ

こじらせた初恋

第2章 再会

翔 side





俺も進学し、大学は別だったもののお互い実家から出なかった。



後から聞いたが智はここから簡単に行けない遠方の大学の受験を希望したらしい。



しかし、1人息子を手元から離れるのが嫌で智の両親が反対したらしい。



智から何も聞いてないのがショックでたまらなかった。





大学が別々なだけでこんなにも会わないのか、というくらい智とは会わなかった。



たまに会いたくなって智の家に行くが、いつもいなくて、智のお母さんとお菓子食べながら智を待った。



ただいま。とおなじみの声が聞こえた方を見ると、智がいた。


智はキレイになっていた。


こんなこと言っては気持ち悪がられるかもしれないな。


でも本当に、もともと締まった体がもっと痩せてて、少しふくれた頬はそのままに、キレイになっていた。




その智は俺を見ると固まっていた。


そしてみるみる迷惑そうな顔になっていった。


ズキッと胸の鳴る音がした。


智「おう」


そう一言残して、2階の自室に行こうとした。


「久しぶりに翔ちゃんに会ったのにそっけない!」


母に怒られた智は2階へ上がる足を止めた。


智「勉強があるんだよ~」


智はめんどくさそうに答えた。


「翔ちゃん。智の部屋で相手してやって。他に友達も連れてこないで」


智を無視してお母さんはお盆にお菓子を大量に乗せて俺に渡してきた。


智の方を見るとコチラを見ていた。


久しぶりに智と目が合った。ドキリと胸が鳴った。


智「どうぞ」


諦めたように智が自室へ招いてくれた。


久しぶりに入った智の部屋は、特に以前と変わりは無かった。


それでも初めて入ったみたいにワクワクして部屋をウロウロしてしまった。


智「あんまり見ないでよ。前と変わってないって」


立ってないで座ったら?と促されたので、床に腰かけた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ