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世界で1番好きな人

第7章 春合宿

3月。
冬の寒さが消え、日差しがあたたかく感じる季節となった。テニスをするには春が1番。ボールを打つときの爽快感が身体になじむような、すごく落ち着いた気持ちでプレーできる。

春大会のため、僕たちは兵庫県の山奥で合宿をしていた。


パァーン パァーン

山間にボールを打つ音が響く。
コートの傍に川が流れていてしずかな時は川のせせらぎが聞こえる。

「っしゃぁ!これで10勝0敗やな😜」

「飯尾さん強すぎます。ちょっとは手加減してくださいよ。」

「手加減したらしょうたのためならんやろ!引退するまでに一回はおれを負かせてくれよ!😜」

「がんばりますーーー。」

夏からの練習のかいあって僕は一年生にしてレギュラーになることができた。とはいっても飯尾さんのようにザレギュラーとゆうほど強くはないが、ギリギリレギュラーに入れた喜びはなんとも言えないものだった。


1日目の午前練が終わり、河原で昼休憩をとった。
川の流れをぼーっと眺めているとなつみさんが声をかけてくれた。

「しょうた!おつかれー😜飯尾さんにぼこぼこにされとったね笑!」

「あんな試合見ないでください(。-_-。)大会までまだ時間あるし、次こそは、、」

「へへへ笑 でも頑張ってる姿ほんまかっこよかったで!なんか強者に立ち向かう弱者?みたいな?笑」

「それ褒めてます?笑」

「ほめてるつもり!笑」

「はぁー。弱者言われて喜ぶ人いないですよー。。」

「ごめんごめん!でもほんまかっこいいと思うよ!一年生でレギュラーなんて。残りの合宿もファイト!」

「・・・なつみさん、あの、、、」

「なつこー!午後練始まるでー!」

「あ、ゆいー。わかったー!すぐいくー!しょうた、何か言った??」

「いや、なんでもないです。さ、練習練習!」

「うん!^ ^」






こんなに近くにいる時が
あんなにたくさんあったのに


いつでも言えるとか
言っていいのかとか
逃げてばかりで







あなたとの幸せな時間を少しずつ失っていった。

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