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世界で1番好きな人

第8章 春大会

ついに春大会が始まった。
16大学が出場する大会で僕たちの一回戦の相手は
優勝候補ナンバー1の某w大学だった。

試合前、飯尾さんがみんなに気合を入れた。

「みんな一回戦のここがいきなりやけど、ふんばりどころや。テニス自体は個人競技やけど、団体戦となればチーム競技。このチームで絶対勝つで!!」

「はい!!」

部員全員に気合いと緊張感が走る。

「っしゃあ!ひとあわふかせたろやないか!」




春なのにだいぶ暑い日だった。
夏ほどとはいかないが日に焼けた肌が練習量をものがたっていて、なんだか負ける気がしなかった。


w大学と互角の試合をして迎えた最終試合。
僕のシングルスだった。
僕が勝てば一回戦突破。
なんとしても負けるわけにはいかなかった。


「しょうた、お前はこの1年間ほんまよく練習した。負けても悔いない試合してこい。」

「はい!絶対勝ちます。」

飯尾さんに喝を入れてもらい、コートに入った。


こんなときでもあなたのことを考えているのは、ほんとはだめなのかもしれない。だけど、見ていてほしい。なつみさんに自分のことを見てほしい。そう思っていた。








ーーー
「ゲームセットアンドマッチ 島!」

われんばかりの歓声とともにみんなが僕のもとへ走ってきた。

勝った。。


「よーやったぞしょうたー!!」

「さいこー!」

「お前がナンバーワンや!」



正直勝った瞬間のことはよく覚えていない。









ただなつみさんだけが
笑っていない、そんな気がした。

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