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世界で1番好きな人

第4章 スノボ

冬休み
夜行バスの待合所でゆうまと合流した。

「しょーたーー!おっすー!昨日のフェデラーの試合最高やったな!!くぅぅスノボやってる場合じゃないぜー!」

「ちょ!!昨日の試合は録画してるから言わんとってや!!」

「フルセットでフェデラーが優勝したやつやんなぁ。ほんま感動やったわぁあ。」

「‥‥」

「おいおいエリナ!昨日のはフルセットちゃうやろ?な?な?笑」

「え?フルセットで最後のブレイクポイントでフェデラーが‥」」

「あー!もうエリナのせいで見る気なくした。コンビニ行ってくる。」

「しょうたなんで怒ってんのー?なぁなぁー?」

「エリナ、もうやめろ。笑」

エリナの天然ぶりは相変わらずだった。
素直だが、空気が読めなさすぎて。笑

コンビニで温かい飲み物をカゴに入れ、バスで時間をつぶすために雑誌を買おうとした。

「しょーたっ何買ってんの??」

「あ、なつみさん。雑誌です!バスで暇かなーと思って。」

「ふーん。エロ本の前で悩んでたからつい声かけたくなっちゃた。笑」

「あ。たまたま気になるジャンルのがあって、つい笑笑」

「ふふふ笑 素直でおもしろい笑 エロ本買ってあげよか?笑」

「いいですよ!!笑 それやったらこのコーヒー買ってください(。-_-。)」

「うそうそ笑 いーよー!その代わりわたしの夜食買ってね😜買いあいっこ😜笑」

「う、夜食の方が高くないですか?笑」

「えー聞こえへーん😜しょうたの性癖みんなにばらそっかなー笑」

「はい、買わせていただきます。笑」

「やったー!」


結局普通の雑誌としぶしぶながら夜食を購入し、皆がいる待合所へ戻った。
ほとんど全員が先にバスへ乗り込んでいたので、残った席に僕となつみさんは座った。
通路を挟んで横になった僕達は消灯間際までたわいもない会話をしていた。



「しょーた、ぉゃすみぃ」


バスのエンジン音ではっきりとは聞こえなかったが、なつみさんがそう言った気がした。僕も小さな声でおやすみやさいと返事をし、眠りについた。


雑誌を読むのは無意識のうちに忘れていた。



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