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うちの社長が酷すぎる!

第7章 環境の変化


「えーっと……まず…浮気して悪かった」
「え」

エレベーターがゆっくりと上がっていくあいだ、誠也がそんなことを口にした。

ーっていやいや、何年前のこと!?しかも、わたしだってしてたのに……

「誠也だけ悪いわけじゃ……私だってそうだし。私こそ、ごめん」

軽く頭を下げると、誠也も頭を下げた。
そして、目を合わせて笑った。

「……っくく、何年前の話で謝ってんだろうな…」
「ほんと…!もう笑えてきちゃうよ」

2人で笑い合っていると、エレベーターが止まった。誠也がフロアを確認して、私に向き直る。

「あ、俺はこのフロアによるから。また会ったら、話そうな」
「あ、うん!」

誠也はふにゃりと笑って、自動で開いたドアから出ていった。「閉」ボタンを押そうとしたとき、1人別の人が入ってきた。

「よぉ、橘稀乃」

……げ。この声は。

「社長………」

後ろ手に閉ボタンをおして、意地悪そうに笑う宝条社長がいた。

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