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うちの社長が酷すぎる!

第7章 環境の変化


「おい稀乃、話そうぜ?さっきの希崎のやつみたいにさ」
「ーっ見てたんですか」
「そりゃな?手まで振ってたじゃん。あいつ、既婚者じゃなかったっけ?」

そうですけど?、と距離を置いて言う。宝条社長は、距離を置いたわたしにすっと目を細めた。

「…既婚者でもいいのに、俺は嫌なわけ」
「……は?何言って…」

ダン、と音がする。
自分の顔の両脇に、宝条社長の大きな手がついてあった。

「ちょ、なにするんですか!やめてくださいっ」
「…確かに懐かない猫みたいで可愛いけどさぁ、そこまでされたら火ぃつくよな」
「何………!?」

言い終わらないうちに、宝条社長の顔が近づき、唇を塞がれる。

「____んっ」

角度を変えて唇を合わせるキス。頑なに唇を開かないでいると、ふと右頬に宝条社長の手が触れた。
頬に触れて、親指の腹で撫でる。優しく、彼女のように、キスをされる。

「___っふ、」

息をしたくて、少し唇に込めた力を緩めると、待っていたかのように社長は舌を侵入させた。

「っふ、ぁ…ん、ん、」

頬に触れていた手はわたしの頭の後ろを抑え、逃げられなくしている。まるで食べられていくような、逃げられない強引なディープキスに頭がとろける。

「んんっ……ん…」

宝条社長の胸を押していた腕も抵抗をやめ、受け入れている。
宝条社長のあいた左手が、すっと下に下がった。

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