うちの社長が酷すぎる!
第7章 環境の変化
しばらくお昼を堪能して、社長のことなんて忘れてしまった頃。
わたしはひとりで給湯室にいた。
付近のデスクの人達にも、コーヒーを持っていこうとしたから。
お盆に乗せて持ったけど、ぐらぐらして今にもこぼれそう。
「………やっぱり無理かな。この量は」
「気づくのおせーよ」
後ろから話しかけられ振り向くと、ドアによりかかった誠也がいた。
「な、なにしにきたのよ」
「コーヒー飲みに来たの」
誠也はそう言って、わたしがもっていたお盆の上からコーヒーカップを4個ほど取り上げた。
「あっ、ちょ、それはほかのデスクの人のやつで…!」
「知ってる。お前一人じゃそれ持ってけないだろ」
誠也はそう言って、別のお盆に乗せて持った。
「暇だから、借りでも作ってやろうかと思って」
意地悪そうに笑う誠也につられて、わたしも微笑んだ。
「……ばか。」