うちの社長が酷すぎる!
第8章 突然のこと
「好きな女が、こんな無防備にしてたら誰だって襲いたくなるだろ」
「…え、あ?」
「その男だって、お前のことが好きだったんだよ。」
ヒカルはそう言って、自分の手を見つめた。
「…好きなやつだし、傷付けたくない。大事にしたいとは思ってるけど」
「……理性がもたない、ってこと?」
「…まぁな。俺も、大家の前に男なんで」
ヒカルは「だから、」と続ける。
「俺はいま、無性にお前を抱き潰したい。もう、彼氏と会わなくてもいいって思えるくらいに、俺でいっぱいにしたい」
そう言ってわたしを見つめるヒカルの目が本気で、わたしもぎゅっと拳を握った。
「……彼氏とは、別れません。」
「…そういうと思った。」
ヒカルは肩をすくめて、そっとわたしに寄った。
「そういう、強気なところもそそるんだよ」
そう耳元で囁いて、わたしの肩をそっと押して覆いかぶさった。