うちの社長が酷すぎる!
第10章 見せかけの愛
なんでまた社長と仕事なの……
あんなふうに出てきちゃったら、雄飛が気にするかもしれないのに…
「はぁ…」
「俺の隣にいながらため息とはいい度胸だな」
「あの状況で度胸もなにもないです!!」
かぶせるように反論すると社長はわざとらしく首を傾げた
「仕事って言っただろ、一応」
「一応ってなんですか一応って!」
けらけらと笑う宝条社長…
遊ばれてる感が否めない…
「あ、ついたぞここだ」
顔を上げたらお城!…とかではなく、こじんまりとした会社。
「あ、普通のとこだ…」
「俺が仕事するんだ、普通じゃないわけないだろう」
この人…この前のこと忘れたのかな?
…でもまあ、1日限りの関係だし。
あれから社長はわたしにちょっかいはかけてくるけど…なんていうか本番はしてこない。
期待してるわけじゃないけど、なんだか少し虚しい気持ちがした。