
うちの社長が酷すぎる!
第10章 見せかけの愛
会社につくと雄飛はまた女子社員に囲まれていた
かっこいいとはいえ…長すぎじゃない?
わたしと社長が会社を出たのは午前11時。
そこから移動と対談とでいま会社について午後3時。
雄飛も、やっぱり積極的に来てもらった方が嬉しいんだろうな。
とか思いながら、杜山さんに報告しようとしたら、
「稀乃!」
女子社員の輪の中の雄飛が、わたしの名前を呼んだ。
「おかえり!外回りだったんだろ?」
「あ…うん」
わたしたち、付き合ってるって周りに言ってないのに!
女子社員の視線が痛い。
「なに?なんで橘さん名前で呼んでるの?」
女子社員の1人の声が耳に届く。
雄飛が言った
「俺ら、前から付き合ってるんで。」
オフィスがざわめいた。
